Binary Diary

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トークスキル:マジックナンバー

どうもこたにんです。

 

マジックナンバー、エンジニアにとってはネガティブに聞こえる単語ですね。
「このif文、マジックナンバー埋まってる...!!」
想像するだけでゾッとする、破壊力抜群です。

ただ、トークスキルにおけるマジックナンバーは、ポジティブに破壊力抜群です。
はい、目次どんっ!

 

 

マジックナンバーとは

マジックナンバーとは、アメリカの心理学者ジョージ・ミラー氏が1956年に発表した論文

The Magical Number Seven, Plus or Minus Two: Some Limits on Our Capacity for Processing Information

にて提唱された概念です。
人間が短期記憶できるチャンク数は脳みそ的には7プラスマイナス2だよ、という考え方。

チャンクとは

チャンクというのは、情報のまとまりのことです。

例えば、日本の国土。

北海道、本州、四国、九州。
土地単位の情報のまとまりだと、4チャンク。

北海道、東北、関東、中部、近畿、中国四国、九州。
七地方区分にすると7チャンク。

このように、情報のまとまりの数のことをチャンクと言います。

また、チャンクを増やすことをチャンキングと言います。

例えば、09098765432という携帯番号があったとします。
このまま記憶しようとすると11桁の数字のまとまり、1チャンクです。

これを、090-9876-5432 とハイフンを用いて表現します。
ハイフンでチャンキングすることで3チャンクになります。

チャンクは少なければよいわけでもなく多くてよいわけでもない。
ほどよい粒度でほどよい数量でチャンキングされることで、人間が認知し記憶しやすくなります。
 

マジックナンバー7

ミラー氏はこのチャンクについて、7つがベターな数だと論文で結論づけています。

7という数、世の中に溢れています。
論文でも例を挙げてありますが、七つの海、七不思議、七つの大罪、などなど。
7チャンクだと記憶に残しやすい、と言っています。

かの有名なメリー・ポピンズの楽曲。

Supercalifragilisticexpialidocious

これも1チャンクだと記憶するのはとても難しい。
ですが、7チャンクにわけてみるとどうでしょうか。

Super / cali / fragi / listic / expi / ali / docious

ね、案外あっさり覚えられちゃいます。
が、論文では、こんな言葉も残しています。

For the present I propose to withhold judgment. Perhaps there is something deep and profound behind all these sevens, something just calling out for us to discover it. But I suspect that it is only a pernicious, Pythagorean coincidence.

現在のところ、私は判断を差し控えることを提案します。おそらく、これらの7つすべての背後には深く深いものがあります。しかし、私はそれが有害なピタゴラスの偶然の一致にすぎないと思います。
Google翻訳

要は「一旦ナシで」ということみたいです。
ミラー氏自身、この7という数に絶対的根拠はなくこのような記載をするに至ったのでしょうか。

マジックナンバー

その後2001年に、 ネルソン・コワン氏によって、論文は発展を遂げました。

Nelson Cowan, The magical number 4 in short-term memory: A reconsideration of mental storage capacity - PhilPapers

実は4プラスマイナス1なんじゃね?という内容です。
これも、1チャンクの粒度と情報量に依ってくる部分ではありますが。

この4プラマイ1、特に3。
3がマジックナンバーとなることもとても多いです。

マジックナンバー3

スティーブ・ジョブズ氏がプレゼンテーションを行うときは、必ず3つの要点でまとめていたらしいです。
iPad発表のとき、iPhone発表のとき、常に3つの何かをテーマにしていました。
それは「Rule of three」という、3の法則に従っていたとのこと。

Rule of three (writing) - Wikipedia

 
さらにあの有名なスタンフォード大学でのスピーチ、冒頭のセリフがこちら。

Today I want to tell you three stories from my life. That’s it. No big deal. Just three stories.

本日は自分の人生から、3つの話をさせてください。たいしたことではない。たった3つです。

と述べた上で「点と点をつなげる」「愛と敗北」「死について」を語りました。 
3つという構成の良さ、彼はそれを徹底していました。
世界一美しいデザインの世界一のプロダクトを作り上げた方が体現しているのです。
説得力が凄まじいですね。

3つで物事をまとめる。
上手なプレゼン、上手な話者はこのスキルを使いこなしています。

まとめ

マジックナンバーは7でもなく4でもなく3。
トークスキルとして「3」という数字を心がけることはとても重要です。

それは自身の考えの整理にもなるし、アウトプットの手助けにもなる。
さらにそれを聞いた見た人へのインプットの促進にもつながる。

マジックナンバー、3。
積極的に採用していきましょう。

そしてわたしはこれを高校1年生のときに学んで以降、ずっと心がけています。
プレゼン資料やブログのもくじなど、徹底的に仕込んでます。
身体に染み付くと、話し上手になれます、ぜひに。

最後に、マジックナンバーと聞いて思い浮かぶ名曲をひとつ。
magic number / KICK THE CAN CREW