どうもこたにんです。
beatmania IIDX 段位認定で考えるお金の生み出し方
というのを考えてみます。
はい目次どんっ!
beatmania IIDX 段位認定とは
KONAMIの音ゲー『beatmania IIDX』というゲームがあるんですよ。
ゲームセンターで見たことある方もいるかもしれません、こんなやつ。
そのゲームでは、自分の実力を定量化する「段位認定」というモードがありまして。
段位が高ければ高いほど、その人の実力が高いと、一目でわかる指標です。
その段位は、こんな感じで定義されています。
- :
- 八段
- 九段
- 十段
- 皆伝
段位がひとつずつ上がっていき、「十段」の先が、一番お上手な指標の「皆伝」です。
この段位認定というモードには、1回のプレーに100円かかります。
また、1つ前の段位を合格していないと次の段位は受けれません、飛び級禁止です。
なので八段を100円で受かると、九段の受験資格が手に入る。
同様に九段を100円で受かると、十段の受験資格が手に入る。
十段を100円で受かると、皆伝の受験資格が手に入る。
という流れになるわけです。
一度も失敗せずに合格し続けても、皆伝を取得するには400円かかるというわけです。(実際は段位認定で途中でゲームオーバーになる場合もあるのでもっとお金はかかります)
ここまでの流れでちょっと疑問が湧いている音ゲーマーのための補足
- 今回は段位の話ではなくお金の話なので、段位の解禁タイミングなどは省略します
- 中伝の話はこのあと出てきます
- このあとも記事用に定義した数値が出てきますが、実際とは異なります
有段者の人口から収益を計算する
上述の4種類の段位ランクを有している人口を割り当てて、お金を計算してみます。
超ざっくりですが、こんな表を作ってみました。
各段位の人数と、その段位取得にかかるお金と、その合計額。
(すごいざっくり数値なので、実際の有段者数やお金とは異なります)
|
有段者数 |
お金 |
合計額 |
八段 |
10000 |
100 |
1000000 |
九段 |
4000 |
200 |
800000 |
十段 |
9000 |
300 |
2700000 |
皆伝 |
5000 |
400 |
2000000 |
合計 |
28000 |
1000 |
6500000 |
要は、八段〜皆伝までの有段者のおかげで、650万円というお金が生まれたわけです。
これが、最終的にゲーム側の収益のもとになってくるわけです。
これを念頭に置いて、本題に入ります。
段位認定に「中伝」が追加された
とある時期のバージョンアップのタイミングで、段位認定に段位が増えました。
十段と皆伝の間に「中伝」という素敵なネーミングの段位ができました。
- :
- 八段
- 九段
- 十段
- 中伝
- 皆伝
これは、表向きには、こういう課題を解決するための施策でした、たぶん。
- 十段と皆伝の難易度が違いすぎて、皆伝に受からずに十段の人口が増加していた
- 皆伝としてふさわしい人間をさらに絞るため、難易度の見直しが必要となった
プレイヤー目線では、まあ悪くない施策でした。
要は、同じ十段の中でも、「ギリギリ十段」と「皆伝に近い十段」がいたのです。
これを明確に差別化するために、中伝というランクを作ったのです。
「中伝」のおかげでお金が増えたわけです
一方、ゲーム側として考えてみたときに、この施策は何をもたらしたのか。
先程の650万円のくだりをもう一度思い出してください。
あの表が、中伝のおかげでこうなるのです。
|
有段者数 |
お金 |
合計額 |
八段 |
10000 |
100 |
1000000 |
九段 |
4000 |
200 |
800000 |
十段 |
6000 |
300 |
1800000 |
中伝 |
3000 |
400 |
1200000 |
皆伝 |
5000 |
500 |
2500000 |
合計 |
28000 |
1500 |
7300000 |
さっきまで9000人いた十段のうち、3000人を中伝合格としてみました。
また中伝ができたことで、皆伝受験にかかるお金が100円増えました。
そうすると結果として、八段〜皆伝で生まれるお金が730万円になるのです。
これが、中伝が生んだお金。
プレイヤーに対しても悪くない施策が、ゲーム側としても良い施策なのです。
段階を増やすことでお金が生まれる
このように、段階を増やすことでお金が生まれるわけです。
これは、ユーザ・利用者には見えづらいですが、とてもいい方策なのです。
ついこの間話題になった「高輪ゲートウェイ駅」があるじゃないですか。
あれも段階を増やす、という行為になります。
田町駅と品川駅の間に、ひとつ駅という段階を増やすのです。
こうすることにより、この駅の利用者がお金をもたらすことになります。
先程と同じ現象ですね。
視点を変えると見える世界が異なる
今回はbeatmania IIDXにおける段位認定で考えてみました。
ゲームプレイヤーの視点から、ゲームコンテンツの制作側の視点に切り替えて。
そうすることで、考えもしなかった視点で、何やら素敵な世界が見えました。
何事も多角的に、多面的に。