どうもこたにんです。
見ざる🙈聞かざる🙉言わざる🙊
「三猿」というのをご存知でしょうか。
三猿(さんざる、さんえん)とは3匹の猿が両手でそれぞれ目、耳、口を隠している意匠である。「見ざる、聞かざる、言わざる」という叡智の3つの秘密を示しているとされる。
日光東照宮にあるお猿さんたちで有名なあれです。
この3匹の猿が示す「見ざる聞かざる言わざる」とは『論語』の一節から生まれたものらしい。
「非礼勿視、非礼勿聴、非礼勿言、 非礼勿動」
(礼にあらざれば視るなかれ、礼にあらざれば聴くなかれ、礼にあらざれば言うなかれ、礼にあらざればおこなうなかれ)
これを意訳するとこんな感じかしら。
「規範的に節度を持って、余計なものを見ず、聞き耳立てず、適当なこと言わず、変に動かず、思いやりましょう」
まさに論語、孔子の言うところの「仁」を感じる言葉ですね、仁みが高い。
この3匹のお猿さんは、ただただジェスチャーで遊んでいるわけではない。
実はこの「三猿」は英訳すると「three wise monkeys(3匹の賢い猿)」なのです。
賢いのです、孔子の教えを体現している、とても聡明なモンキーなのです。
ただこの教え。
規範的な礼の教えとしてはとても素晴らしい言葉なのですが。
ことチームマネジメント観点だと、再考の余地がある気がします。
Google re:Work 的には「見て、聞いて、言う」
もちろん孔子の教えは大切ではあります。
が、見ること・聞くこと・言うことも大切なんじゃないかな、って思う。
Google re:Work というGoogleが提唱する働き方のアイディアより。
「効果的なチームとは何か」というページがあるのですが。
ここの一節にある「心理的安全性を高める」ためのガイドにこんなものがあります。
これを読むと、たくさんのTipsがあるんです。
ここにあるたくさんのTipsは実はどれも「見る、聞く、言う」に分類できます。
見る
- 体の動きや仕草に注意する。話を聞くときは少し体を乗り出すようにするか、相手の方に顔を向ける
- 会話の当事者として積極的に話を聞いていることを示すため、相手と目を合わせる
- チームメンバーのために時間を割く、友好的な態度を示す(例: 1 対 1 の定例外の会話、意見交換、キャリアに関するコーチングのための時間を作る)
- 相手に対して開かれた姿勢を取る(チームメンバー全員に顔を向ける。誰かに背中を向けることはしない)
- チームメンバーと親密な関係を築く(例: チームメンバーと仕事以外の話をする)
- 他のチームメンバーの貢献を認める(例: チームメンバーが成功や意思決定に貢献した場合は、その事実に言及する)
- チームをサポートする、チームを代表して行動する(例: チームの成果を上級役員に伝える、チームメンバーの功績を認める)
- 自分の意見に対して、チームメンバーが別の意見がある場合、反論したり異論を唱えるようチームメンバーに促す
- リスクを取るようチームメンバーに促し、自分の仕事でも実践してみせる
聞く
- 「今」を大切にし、目の前の会話に集中する(例: 会議中はノートパソコンを閉じる)
- 自分の意見を述べる、対話的なコミュニケーションを心がける、傾聴の姿勢を示す
- 積極的な姿勢を示すため、返答するときは言葉で返す(例: 「なるほど。詳しく説明してもらえますか?」)
- 気づかぬうちに否定的な表情(苦い顔や不愉快そうな顔)を浮かべていないか注意する
- 会話中や会議では、話を聞いていることを示すためにうなずく
- 人の話を妨げない。妨げようとする人をたしなめる(例: 人の話を妨げようとする人がいたら間に入り、元の発言者に話を続けさせる)
言う
- チームメンバーから学ぼうという意欲を持って質問をする
- 互いの理解が一致していることを確認するため、相手の発言内容を要約する(例: 「あなたがおっしゃったのは…ということですね?」)。その後で、同意できる点、できない点を示し、グループ内で率直に意見を交わす
- 話の内容を理解したことを言葉で示す(例: 「なるほど」「おっしゃることはわかります」)
- 責めを負わせるような言い方(例: 「なぜそのようなことをしたのですか?」)はせず、解決策に焦点を当てる(例: 「この作業をよりスムーズに進めるためにできることを考えましょう」「次に備えた行動計画を立てるため、皆で協力しましょう」)
- 自分の仕事の進め方や好みをチームメンバーに伝え、チームメンバーにも同じように自身のやり方を皆に伝えるよう促す
- 定期的な 1 対 1 の打ち合わせやチーム会議とは別に定例外の会議を開く場合は、会議の目的を明確に伝える
- チームメンバーの貢献に対して感謝の意を示す
- チームメンバーが他のメンバーについて否定的な言葉を口にしたときは間に入る
- チームメンバーに意見やフィードバックを求める
- 意思決定の背後にある根拠を説明する(対面またはメールで、その結論に達した経緯を詳しく説明する)
- チーム ディスカッションをコントロールする(例: チーム会議での雑談を認めない、意見の対立が個人間の対立に発展しないようにする)
- チームメンバー全員が聴き取れるよう明瞭に発声する
- 自分の弱みを見せる。仕事や失敗に関する自分の個人的な考え方をチームメンバーに伝える
全てのTipsを3つに分類できました。
そうなのです。
最高のチームをビルディングするには、逆三猿な動き方が求められるんです。
徳川家康みを感じる
三猿を否定するわけではなく、心理的安全性の観点だと逆三猿が大事だよなってこと。
三猿のある日光東照宮に祀られている東照大権現、徳川家康はこんな言葉を残しています。
「いさめてくれる部下は、一番槍をする勇士より値打ちがある。」
無鉄砲もいいけど、目上だろうといさめることができる部下を持つことが良い、と。
これはGoogle re:Work、心理的安全性の「言う」に通じるところ。
さすが天下人、視座の高さを感じる、家康みが高い。
言わざるも大事、言うも大事。
最後にもうひとつ、東照大権現の名言を書き置いて終わりにします。
「天下は天下の人の天下にして、我一人の天下と思うべからず。」
家康、最the高。