Binary Diary

誰かに会ったり 話しかけたり 街行く人に優しくね

「ラブレター」はもう古い!スカウトメッセージは「挑戦状」形式で!

どうもこたにんです。

スカウトメッセージという名のラブレター

スカウトメッセージってあるじゃないですか。
転職サービスなどで、企業から届くアレです。
わたしが最近TwitterDMでもらったやつだと、こんな感じの。

f:id:Kotanin0:20191113220406p:plain

すごいヨイショした上で会社のお誘いをするという、素敵なラブレターです。
これは、ダイレクトリクルーティングという採用手法における定石の一手です。
本題に入る前に、ダイレクトリクルーティングについて軽く説明しましょう。

ダイレクトリクルーティングとは

LAPRASさん、拝借!!!

hr-tech-lab.lapras.com

ダイレクトリクルーティングとは、企業が主体となって採用したい人材と直接コンタクトを取る採用方法のことを指します。
従来の採用手法は求人媒体に求人票を掲載するなど、採用サービスが保有している母集団からの応募を「待つ」というスタンスが基本でした。

しかし、ダイレクトリクルーティングは、応募を「待つ」のではなく、SNSやスカウティングサービスを利用して個人に直接アプローチする「攻め」の手法です。


求職者の売り手市場になりつつある現在では待っていても応募が来ないという企業が多く、「攻め」の手法であるダイレクトリクルーティングの重要性は高まり、また多くの企業が実施しています。

転職エージェントから応募を「待つ」ものではなく、自分から「攻め」に行く採用手法。
企業の採用担当者が、自分たちが欲しい人材がいそうなところに飛び込んで、自分からラブコールをかけるのです。
TwitterでDMがきたのもその一例です。

この「攻め」というのが、ダイレクトリクルーティングの肝であり運命の分かれ道。
いかにその人に対して効果的に攻めるのか、が重要な手法です。

スカウトメッセージとは 

その、ダイレクトリクルーティングでの「攻め」の一手が、スカウトメッセージ。
冒頭に書いたような、その人個人に対して刺さるような言葉を紡いだラブレターを送るのです。

たとえばわたしだと、TwitterWantedlyにたくさんプロフィールやスキルを書いています。
企業の採用担当者は、そういったツール上で欲しい人材のスキルで検索をします。
そしてHITした人のプロフィールからその人の強みを見つけて、お手紙をしたためるのです。
「エンジニア組織作りに強そう」「プログラミングスキルありそう」「楽しそう」
まあそんないろいろを拾ってはしたため、拾ってはしたため、とするのです。

その結果として、その人にラブレターを送るのです。
『ぜひその強みを活かして弊社でご活躍いただきたいです!』
ってメッセージをするのです。

「強み」を求めるスカウトメッセージって実際どうよ?

実際にメッセージを受け取る側として、強みを求められたらどう感じるんだろう。
今までわたしが受け取ったらスカウトメッセージを見返してみます。

これまでのご経験を存分に生かして頂けるのではないかと思いご連絡させていただきました

EMの経験からエンジニアの採用など幅広く組織開発コミットされている点に興味をもたせていただき、大変失礼ながらTwitterのDMからご連絡をさせていただきました

大規模ユーザーを抱えるサービスにて開発を手掛けてこられたレベル感の高さはもちろんのこと、中でも勉強会でのご登壇実績や、Githubやブログにて記事を書いていらっしゃることからアウトプット力の強さや積極性も窺え、大変魅力的に感じております。
また、マネジメントやエンジニア組織作りの面でも貴社のテックカンパニー化に大きく貢献していらっしゃると拝見し、非常に素晴らしくも感じました。

たしかに、わたし個人のプロフィールをよく読んでもらえてるとは思う。
ただ、自分で強みは理解している上で思うことがあってですね。
強みに惹きつけられました!ぜひ弊社で活躍を!って言われてもね?

自分の能力でできることができる“だけ”の職場に魅力は感じないんだなあ。

わたしの例でなくても、プログラミングスキルが高い人とかでも似たような話。
アウトプット豊富で実務経験もあるような、ハイレベルキャリアな人の場合。
そういう人って、現職でもあたりまえにつよつよエンジニアなわけで。

ただ『そのスキルをぜひ弊社でも活かしていただければ!』って言われても。
「いえ、間に合ってるんで大丈夫です」って感じになっちゃうのではないかなと。

困難な課題がある方が転職動機になるのでは?

だから思うんです。
その人のスキルを持ってしても崩せないような困難な課題。
それをその人に突きつけて使命感を与えるほうが、動機になりえるのではないか?

たとえばわたしが、こんなメッセージをもらったら。

エンジニア採用をはじめとした組織作りにコミットしており魅力を感じております。
ただ弊社においては、組織拡大していくにあたって、こたにん様のお力を持ってしても難航するほどの課題が山積でございます。
ぜひ、より難易度の高い組織作りへ挑戦してみるのはいかがでしょうか?

正直、すごい大変そうだなこの会社、って思いはあるものの。
「えっ、わたしですら難しいって、どんだけ課題あるの?」って興味は湧く。
し、ひょっとしたらさらに成長できるかもしれない、って気になってくる。

エンジニアたるや、成長し続けたいものです。
成長のためには、よりレベルの高い課題に挑戦し続けていく必要があります。
そのための困難な課題がある方が、転職の動機になりやすいんじゃないか。

会社の課題というネガティブ要素は出しづらいかもしれない。
でもエンジニアを採用したいということは、会社内に解決しなければならない課題があるということ。
ダイレクトリクルーティングにおいては、その改題を解決できそうな人材を探すはずです。

ただその課題こそ、エンジニアがエンジニアであるための餌なわけです。
課題という餌を食べて、よりレベルを上げていくわけです。

スカウトメッセージに「煽り」要素を入れていく!

そこで出た個人的見解がこれです。
今までは「強み」をフィーチャーしたスカウトメッセージが主流でした。

今後は「煽り」です。
強みをヨイショするのではなく、強みを発揮できないくらいの課題があるんだと煽るのです。
エンジニアの成長欲求をくすぐったメッセージにするのです。

もはや「スカウトメッセージ=ラブレター」の時代ではなくなります。
これからは「スカウトメッセージ=挑戦状」です。
その人ですら解決困難な課題を詳らかに曝け出し、挑戦状を叩きつけるのです。

たとえば、とある言語に強いエンジニアへの挑戦状を考えてみました。

ご経歴やGitHubのアウトプットを拝見し、とても技術力が高いとお見受けしました。
現職においても、大規模WEBサービスのリードエンジニアとして、大変ご活躍されているようで、とても魅力的に感じております。
弊社においてもWEBサービスを自社開発しているものの、レガシーなソフトウェアアーキテクチャな上、品質担保のためのテストコードのカバレッジも高くなく、技術的な課題が山積しております。
○○様のご経歴やお持ちのスキルを全力で活かしていただいてもこれらの課題を解決できない、と断言できるほどの課題感を持っております。
ぜひ、より困難な課題に立ち向かい、弊社の様々な課題を解決に導くとともに、ご自身のスキルアップを目指す、WIN-WINな環境で挑戦してみませんか?

いやー、煽ってるねえ。
特に「お持ちのスキルを全力で活かしていただいてもこれらの課題を解決できない」ってところ。
煽ってくるねえ、メッセージ送っといてこの煽り方は鋭いねえ。
でもなんだか、すごく使命感が湧いてくるぞ??

ってなりそうです、たいていのエンジニアは使命感が湧きそう。
すごい挑戦できそうだし、すごい成長できそう。
ちょっとお話聞いてみよっかなって思ってしまいそう。

このように、煽り要素を取り入れた挑戦状形式で書く。
これが今回、スカウトメッセージの潮流を変える。
定石ではなく、神の一手です。

f:id:Kotanin0:20191114022421j:plain


煽りを取り入れた挑戦状スカウトメッセージ。
ぜひエンジニア採用担当者のみなさま、お試しください!!!