Binary Diary

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「出社回帰」について本気出して考えてみた

どうもこたにんです。

 

ウラベントカレンダー10日目。

 

 

出社回帰というムーブメント

世の中には「出社回帰」という言葉と、そのムーブメントがあります。

GAFAMは軒並みハイブリッドワークで出社頻度を上げていたり、特に最近Amazonがリモートワークを廃止したというニュースを耳にした方も多いでしょう。

イーロン・マスクさんなんかは、リモートワーク自体を強く非難しているらしいですね。

 

「でもそれって別に日本のムーブメントじゃないし、国によって在り方はさまざまだと思うんですよね」

そういう見解もあると思います。

業種や環境、年齢などでも価値観は違うと思いますし、それに完全な正解はないかもしれません。

ただ、世界を牽引する企業が、チームワークの指針を打ち出すような大企業が、みんな出社を促している事実があります。

これは事実です。

 

「じゃあ何?フルリモートは悪なの?」

そんなことは言ってません、イーロンさんは言ってるらしいですが。

事実として出社回帰している企業があり、それらの企業はこれまで成長をしてきた企業である、という話です。

コロナ禍ではじまったリモートワーク主体の考え方が、出社の考え方にシフトしてきたということです。

コロナ禍当時に言われていたニューノーマルに変わる「ニュー・ニューノーマルが台頭してきているのではないか、ということです。

 

リモートワーク時代に培われた新たな常態

コロナにおけるリモートワークは、世の中に大きな変化をもたらしました。

もとは「コロナの流行を防ぐには人とリアルで接しないこと、そのためには今までの仕事をリモートで代替しなければならない」という課題からはじまりました。

  • 商談・ミーティングはオンラインで実施
  • 書類へのハンコは電子押印
  • 研修やワークショップはオンラインで実施
  • 展示会をバーチャル化

挙げだすとキリはないですが、さまざまなことがリモートで代替されました。

 

このおかげでコロナの流行が収まった反面、リモートワークの手軽さやコストの軽さが人に楽を感じさせてしまいました。

コロナの流行を防ぐという課題解決だったのが、どこからか「リモートでもできることはリモートですればよい」に置き換わってしまったのです。

これが、リモートワークの新たな常態です。

働き方がニューノーマルになったのではなく、働き方の考え方がニューノーマルになってしまいました。

 

「なんでわざわざリアルで実施する必要があるの?」

こんな発言を私自身も何度もしたことがあります。

だってリモートだと楽だし。

これが、リモートワーク時代に生まれたニューノーマルな考え方というわけです。

 

リモートワークで失ったもの

「リモートでもできることはリモートですればよい」という考え方で過ごした数年で、その手軽さやコストの軽さを手に入れた反面、失ったものがあります。

 

偶発的なコミュニケーション

オフィスでの立ち話や偶然の出会いから生まれる会話やアイデアの交換。
部署や役職を超えた自然な交流が減り、情報共有や発想の広がりが制約される。
予定されない雑談がイノベーションの種を生む機会を奪っている。

 

チームや企業文化の体感

物理的なオフィス空間での働き方や日常のやりとりを通じて感じられる組織の価値観や雰囲気。
リモートでは画面越しでしか関われず、帰属意識やチームの一体感が薄れがち。
特に新入社員が企業文化を学ぶ機会が減少。

 

即時性と迅速な意思決定

その場で集まり、顔を合わせて議論することで即時的に決定ができる環境。
リモートではコミュニケーションのタイムラグや伝達の制約があり、決定が遅れることも。
特に緊急時や複雑な状況では、物理的な会合の迅速さが求められる。

 

コラボレーションと越境

チームや部署、専門領域を超えた柔軟な連携や共同作業。
リモート環境ではツールや仕組みに依存し、偶然的な連携が減少。
オフィスならではの越境的な交流や協力が難しくなる。

 

受動的な学びの機会

周囲の働き方や会話を通じて自然に得られる知識やスキル。
リモートでは隣の同僚の仕事を見聞きする機会がなく、OJTの効果が低下。
自発的に学ぶ姿勢が求められるが、それが負担になる場合もある。

 

出社回帰は「考え方」を回帰させようとしている

昨今では出社回帰を促す企業が増えてきています。

これは、働き方をシフトさせようとしているのではなく、働き方をきっかけにして「考え方」を回帰させようとしているわけです。

リモートワークで失われたものが、会社の成長に必要な要素であるからこそ、回帰したいのである。

 

「フルリモートは廃止、来月から週3出社ルールにします」

とだけ言われても、考え方が「リモートでもできることはリモートですればよい」のままだったら、出社に価値を見い出せません。

リモートが楽だと思い続けている以上、出社ルールに賛同できません。

なのでこの考え方を根本的に変化させる必要があるわけです。

それが先ほどのリモートワークで失ったもの、すなわち出社で得られる価値なわけです。

 

これらの価値は、生産性(コストの軽さ)という意味ではリモートワークに劣るかもしれません。

ただ、生産性向上だけが会社の成長に必要な要素ではないです。

会社のカルチャーや人と人とのつながり、そこから生まれるコラボレーションが成長のきっかけになるのです。

 

まとめ

今回は「出社回帰」の真意を自分なりに掘り下げて考えてみました。

改めてですが、どの働き方が正しい間違っているという論を話したいわけではなく、出社回帰にはそれ相応の価値があるということを言語化したかったです。

私自身が出社回帰のムーブメントに乗っているため、その考え方を自分なりに言語化できてよかった。