どうもこたにんです。
美容室に行ったときに担当のスタイリストと話をするのが好きで毎回いろんな話をする。
先日、美容師界隈での有名人、世に言う「カリスマ美容師」の話を聞いた。
都内のサロンにいて、ビジュが良くて、カウンセリングが上手で、TikTokでも人気があって、フォロワーが何十万人といて、予約が取れないカリスマ美容師。
美容学校で講師をしたり、セミナーを開いていたり、メーカーのイベントに登場したりしているような方で、その人目当てでイベントに行ったりサロンに行ったりするんだと。
知らない人はいないくらい有名な人なんですよ〜、と。
知らないなあ。
と思った。
それはそう、私は美容師ではないので。
知る経験をすることがないし、知ったところで何にもならない。
これが自分の属する業界だとどうかと考えた。
業界内の有名人にあたる方はたくさんいるし、その人たちそれぞれに大きな強みや特徴があって、その人目当てにイベントに行くこともあるかもしれない。
知らない人はいないくらい有名な人がいる、と私は思っている人がいる。
ただ、私のスタイリストはその人を知らない。
当然である。
ここでふと「有名な人」がもたらすものを考えた。
有名な人というのは、人々に価値をもたらしているのではないかと思った。
その人の卓越したスキルを共有してもらえる、考え方を参考にできる、センスを知れる、それらを自分に落とし込んで自分のためになる。
自分の生活を彩ってくれる、勇気がもらえる、そういったベクトルもあるかもしれません。
自分のために価値をもたらしてくれるからその人をウォッチする、ウォッチする人が増えていくと有名になる。
有名とは価値提供の広さに比例するのかな。
(ここで話している「有名」はポジティブなものに限定している)
「有名になりたい!」という自己承認欲求を満たしたいのであれば、自分にばかり目を向けずに「自分が人々にどういう価値をもたらすことができるか?」を考えると良さそうである。
「誰もが知る有名人」は無理でも「知る人ぞ知る有名人」状態は作り出せそう。
自分の特徴や強みをもって誰かに価値を届けられる界隈というのがきっとある。
じゃあ、私がイメージしている
「界隈」はどこなのだろうか。
少なくとも美容師界隈ではない、エンジニア界隈である。
採用広報だとかEMだとかVPoEだとか、そういった役割を軸にした界隈かもしれない。
ただ、界隈を定めると越境難度が上がる。
エンジニア界隈をターゲットにしたとて美容師界隈では有名になれない。
だからといってエンジニア界隈に閉じると、そこから先の拡がり方が狭まってしまうかもしれない。
「有名とはなにか?」から「どうやって有名になるか?」という思考に移ったが、そもそも「有名になったら何があるのか」を考えていない気がした。
「自己承認欲求が満たされる」のその先である。
その欲を満たすだけのためにしては人生にかけるコストが大きすぎる、そこまでではない。
単純に思考してみた。
「私自身に興味を持ってくれる人が増えれば、一緒に働く仲間になってくれるかもしれない」
ということを考えた。
私は一緒に働く仲間を増やすための手段として、有名になりたいのかなと考えた。
言い方を変えると「会社のため」である。
もっと言い方を変えると、有名になることの結果として「会社にしか価値を出せないと思っている」のかもしれない。
考えたいことがズレてきた。
カリスマ美容師の話まで戻る。
スタイリストと話をしていて感じたのは、カリスマ美容師ってすごいいろんなスキルを有しているんだなと知れた反面、それがすべて「カリスマ美容師」という表現に包含されていて、その美容師の具体的なスキルやそれを身につけるための努力などは見えなくなって、ただ「なんかすごい人」と受け取ってしまうなと感じた。
私が居る界隈で有名な人も同じように、その人のいろんなスキルや取り組みがあってこその有名なのだが、そこに強く意識を向けることはなくただ単純に「有名な人」で片付けてしまっている気がした。
それでいいのかもしれない。
結果として価値をもたらす人になっているのだから。
美味しい料理を食べている時にこの料理がどんな調理器具でどんな工程でどんな調味料を使っているかは気にしない、美味しいという価値を味わっている。
そういうこと。
自分が有名になっているかはどうでもよくて、自分のことを知る人に自分が価値を届けられているか、価値を届けられる人がひとりでも多い状態なっているか。
有名な人とは、ひとりでも多くに価値を届けてくれる人、自分に価値をもたらしてくれる人。
私なりの「有名な人」はここに着地した。
私が毎月会いに行くスタイリストは、私にとっての有名な人。