Binary Diary

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レビュー『行動経済学が最強の学問である』を読んで

どうもこたにんです。

 

読書感想日記。

 

行動経済学が最強の学問である』とは

行動経済学が最強の学問である』は、人間がいかに非合理的な判断をするかを科学的に解き明かし、賢い意思決定のヒントを提供する一冊。

心理学と経済学を融合した「行動経済学」の視点から、私たちが無意識に陥る思考のクセや選択ミスをわかりやすく解説する。

マーケティングや投資、日常生活まで応用できる実践的な知識が詰まっており、ビジネスパーソンにもおすすめ。

専門的な内容も平易な言葉で説明されているため、初心者でもスムーズに理解できる。

知るだけで人生の選択が変わる、実用性抜群の一冊。

行動経済学が最強の学問である』の感想

行動経済学、めちゃくちゃおもしろい。。。

 

言葉は耳にしたことがあったけど、何のためにどういう考え方をする学問なのかを知らなかったのでまずそれを知れた。

行動経済学とは、人が必ずしも合理的な選択をしないことを前提に、心理学と経済学を組み合わせて研究する学問。

私たちが無意識にとる「ついしてしまう行動」や「間違えやすい考え方」が、どのように決断に影響するのかを明らかにするものです。

たとえば、、、、

  •  「お金を増やしたい」と思いつつ「リスクが怖い」「よくわからない」と考えて投資をはじめられない
  • 「今すぐに1000円もらうのと1ヶ月後に1200円もらうのどっちがいい?」と問われると今すぐを選ぶのに、「1年後に1000円もらうのと1年1ヶ月後に1200円もらうのどっちがいい?」と問われると1年1ヶ月後を選ぶ
  • 「20%脂肪入りの牛乳」より「80%脂肪なしの牛乳」の方がヘルシーに感じる
  • レストランでメニューを選ぶとき「人気No.1!」と書かれているとそれを注文したくなる
  • ほとんど使っていないサブスクがあるのに「解約が面倒」「また使うかも」と考えて放置してしまう

これらのように、合理的な考えをすると決して選ばない選択肢を選んでしまう(または選びたくなってしまう)ことで、非合理的な決断を下してしまうこと。

それは「認知のクセ」「状況」「感情」といった要素が単一或いは複雑に入り交じることに起因しているというのが、行動経済学で扱う内容。

特に生きていると、この不思議な非合理性に遭遇するシーンが多いなあと感じるし、それらがさまざまなたとえのシチュエーションで取り扱われていて面白い。

 

さらに、それらの事象に対して、行動経済学という学問の中でどういう捉え方をされているのかを学ぶことができる。

現状維持バイアス」「ナッジ理論」「システム1vsシステム2」「プロスペクト理論」「初頭効果」「選択オーバーロード」「身体的認知」「アフェクト」「不確実性理論」「パワー・オブ・ビコーズ」などなどの用語の背景と解説がとても丁寧に載っている。

言葉を知れることはもちろんだが、その言葉が人間のどういう行動を表していて、それらが何をもたらすのか、さまざまな研究内容を引用しながらもわかりやすく理解できる。

 

そもそも本書の執筆者が行動経済学の世界の方なので、本がそもそも読みやすい。

行動経済学の研究で出た戦術が盛り込まれた本なので、読み手の行動を理解して本に落とし込んでいて、それが読みやすさにつながっていてすごい。

 

普段の生活のさまざまな非合理的なシチュエーションをより論理的に分解して、そのシチュエーションにはどういうファクターがあってどういう変数に左右されて、どう決断するのか。

その思考回路を持つためのスキルがひとつ身についた感じがするし、自分が仕事やプライベートで行動して決断するときに自分を一歩俯瞰して見れるかもしれないし、ビジネスを考える上での素地のひとつとして重要だと感じた。

年に1回くらいのペースで読み直し続けたい、それくらいわかりやすいし覚えておきたい内容だった。