どうもこたにんです。
アンケートって、あるじゃないですか。
イベントの感想、商品のレビュー、生活の調査など、さまざまなシーンでアンケートに答える機会があるかと思います。
例えば、新しいボールペンを買ったときにアンケートがついてきたとします。
アンケートには大凡こんな質問と選択肢が並んでいます。
- このボールペンを買おうと思った「一番の理由」は何ですか?
- デザインが気に入った
- 書き心地が良さそうだった
- ブランドが好きだった
- 口コミ・レビューが良かった
- 価格が手頃だった
- どこでこのボールペンを知りましたか?
- なぜこの色にしたのですか?(自由記入)
- 書き心地はいかがですか?
- 5段階評価
これって、難しくないですか?
何が難しいかというと、ポールペンを買ったときって、ここまで論理的にポールペンのことを考えていないよなと思っていて。
ボールペンを買ったときの流れを思い出してみます。
なんとなく欲しくなって、文具コーナーのポップ見てかわいいねってなって、商品見てなんか良さそうってなって、手に取ってみてなんとなくそこにある紙に試し書きとかしてみて、くるくるくる〜って書いてみたりこんにちはとか書いてみたりして、まあなんかいいじゃんってなって、色がいくつかあるから好きな色を選んで、いやでも今持ってるペンはあの色だから今回はこの色がいいってなって、買う。
こんな感じなんですよ、だいたい。
だからアンケートに「書き心地はいかがですか?」と言われても、そこにあったどんな紙質かもわからない紙になんとなくくるくるくる〜って書いただけだし、実際にボールペン使うときにくるくるくる〜なんて書かないし、買ったときに書き心地がどうとか本当は気にしてなかったし。
「なぜこの色にしたのですか?」と言われても、そのときの筆箱の全体的な色味に合わせて決めたし、状況次第で変わったかもだし、正直そこまで強く意識してなかったし。
本当はお店のポップに目がいって、そこからなんとなく惹き込まれてなんとなく買っただけなのに、それをアンケートで答える項目はないし理由として曖昧すぎるし、じゃあ今回はどれかというと「デザインが気に入った」なのかなあまあこれでいいや。
ってなるんですよ。
ここには大きなギャップがあります。
ボールペンを買ったときの心情はとても「直感的」なのに対して、アンケートで答えて欲しいときには非常に「論理的」な考えを求められているわけです。
買ったときにそこまで論理的に考えていなかったのでアンケートに的確に回答を入れられない。
購入者としては、買ったときに考えてもなかった論理的な考え方をさせられているわけです。
アンケートを回収する側としては、購入者が買ったタイミングで感じていた直感的な意見を収集したいはずなのに、アンケートの構成上どうしても論理的な回答しか手に入らないわけです。
この、直感的な感想を論理的なアンケートで答えさせるギャップに気付いて、より本質的なマーケティング戦略の材料を手に入れる方法を考えるべき、というのが「行動経済学」のひとつです。
ね、楽しいでしょ?行動経済学。