どうもこたにんです。
洗濯乾燥機のもたらす効果について本気出して考えてみた
生活の質を改善するために、洗濯乾燥機に魅力を感じます。
洗濯したものを干して乾かすという家事作業から開放されうるというのはすごく魅力です。
ただ、その魅力を享受するには決して安くない価格設定。
日立 ドラム式洗濯乾燥機 ビッグドラム 洗濯11kg/洗濯~乾燥6kg 右開き 日本製 AIお洗濯 風アイロン 液体洗剤・柔軟剤自動投入 BD-SX110CR N
- 発売日: 2018/11/17
- メディア: その他
ドラム式を選ぶと、だいたい20万円がボーダーラインの大物白物家電。
この20万円という価格が悩みのタネ、魅力と価格を天秤にかけてしまいます。
なので、考えの整理と意思決定のために、思考を備忘しておきます。
もし同じように洗濯乾燥機購入に悩んでいる方がいたら、ひとつのロジックの参考にしてください。
洗濯をVSM(Value Stream Mapping)で可視化してみた
「洗濯」という家事は、どういうフローどういうプロセスで成り立っているのか。
しっかりと可視化してしまえば、解決したい課題とその手段を明確にできそうです。
VSM(Value Stream Mapping) って?
今回は、VSM(Value Stream Mapping) という可視化の手法を用います。
VSM、バリューストリームマッピングとは、生産手法のひとつです。
リーン生産方式の技法のひとつで、物と情報の流れ図とトヨタでは呼ばれています。
econoshift.com
生産工程と、その過程で生まれる生産物、登場人物、コストを図に可視化します。
可視化された図を用いて、納期短縮のために改善できるポイントはないか、ボトルネックになっている工程はないか、などを課題として浮き彫りにすることができます。
現在では、ソフトウェア開発、特にDevOps観点でVSMは注目されています。
このバリューストリームマッピング、VSMを使います。
洗濯という家事に対して。
洗濯のステップを書き出してみる
そもそも洗濯とは、衣類を着回すために必要な家事です。
同じ服を何度も着用するために、衣類の汚れを洗い流すのが、洗濯です。
この観点から洗濯という家事のステップを可視化すると、大きく5つのステップに分けることができます。
着た服を洗濯してまた着れる状態になるまでのステップです。
脱いで洗って干して畳んで着る。
VSMの一歩目として、各ステップを並べることができました。
洗濯の時間的コストを書き出してみる
ここに、時間的コストをさらに書き足していきます。
VSMにおいて一番大事なのがここです。
ここでいう時間的コストとは、各ステップの所要時間のみではありません。
次のステップまでどれくらいの待ち時間が発生するか、そのリードタイムも書き出します。
これらは生産のバリューを高めるために、その課題たりうる処理を探すための情報となります。
では「洗濯」の時間的コストを書き足してみましょう。
脱ぐのはノーコスト、脱ぐだけ。
脱いでから洗うまでは、平均で5日。
洗うのはだいたい40分。
洗ってから干すまでは、ノータイムのときもあるけどだいたい2時間くらいおいてしまう。
干すのは20分くらい。
干してから畳むまでは、乾かないといけないので1日。
畳むのは20分くらい。
畳んでから着るまでは、ものによるけど最短の選択をして1日。
着るのはノーコスト。
このようにすることで、各ステップでかかる時間的コストが可視化されます。
脱いでから次着るまでにおよそ1週間かかっていることになります。
またそのために必要なアクションも多く、実際に自分が稼働するのは1フローあたり40分(干すのと畳むの)とわかります。
ここまでがVSMの準備となります。
洗濯のVSMから解決したい課題を見つける
次は、できあがったVSMから、解決したいポイントを探るのがいい流れです。
解決したいところを見つけて、それに対する具体的な手段を検討します。
そもそも全体のトータル時間を短めて、より頻度高く着回したいのであれば、5日かかるところが改善点。
自分が稼働する時間を減らしたいのであれば、干す時間や畳む時間といったところが改善点。
何を解決したいのか、が可視化されることでより具体化できます。
洗濯乾燥機はフローをどう変えるのか
ではここから本題。
今回の課題提起の根幹、洗濯乾燥機。
洗濯乾燥機を導入することで解決したいのは「自分が稼働する時間を減らしたい」という点。
感覚的には解決しそう。
ただこれが本当に効果的な手段なのか、それを考えます。
VSMの一部を洗濯乾燥機に置き換えてみる
洗濯乾燥機を導入した場合のVSMはこのようになります。
洗うところから乾かすところまでを担う洗濯乾燥機。
干す、乾かす、というステップに改善が見込めそうです。
ステップが短縮化されることで周囲の待ち時間も変えられそうです。
時間的コストも見直され、乾燥まで含めて3時間程度。
干すことと乾かすことまで請け負ってくれるので、畳むまでのリードタイムはゼロです。
ただ、洗濯乾燥機前後のフローには干渉しない。
従来のVSMと比べてみる
ふたつのVSMを比べてみましょう。
やはり、干す〜乾かすの部分が大きく改善されています。
洗濯乾燥機を導入することで、ここのステップに干渉できることがわかりました。
本当に目的を満たしているか?
ただ、わたしの目的はこれでした。
「自分が稼働する時間を減らしたい」
この目的は達成しているのでしょうか。
1回の洗濯フローで改善される自分の稼働は、実は干すところの20分だけです。
丸一日乾かすところも省略されますが、それは自分の稼働ではないです。
そう考えると目的を満たしてはいるが、効果が高いかと言われるとそうでもない気がしてくる。
洗濯乾燥機にかかるコストを算出する
より具体化するために、1年という尺度でもろもろのコストを算出してみましょう。
時間的コスト
週に1度洗濯をするとしたら、1年で53回洗濯をすることになります。
となると、洗濯乾燥機で改善される自分の稼働は、20分×53回=17時間40分。
およそ18時間削減されます。
金銭的コスト
これはむしろ上がるはずです。
乾燥まで請け負うので、1回の電気代が上がります。
調べたところによると、今までの洗濯機は1回あたり2円、洗濯乾燥機は1回あたり1円。
1年53回洗濯すると、電気代は年間689円上がります。
また、洗濯乾燥機を導入することそもそもにコストがかかります。
今の相場だと20万円程度、53回で割ると、1回あたり約3,774円償却すると1年でペイです。
空間的コスト
これは大きく削減されることになります。
干すための空間を必要としなくなります。
それ以上でも以下でもないですが。
洗濯乾燥機の価値を見出す
洗濯乾燥機は目的を満たすのか、導入においてコストがどれくらいかかるのか、を明文化しました。
ここまでだと、導入の費用対効果はとても薄く感じます。
1年で考えたら、18時間を20万円で買うわけです、あくまでも1年で考えたらね。
ぽんっと出すには安くない金額です。
それでもその価格で販売されていてなおかつ買いたいと思うには、金額以上の価値があるから。
であれば、それらの価値は何なのかを見出さなくてはいけない。
今まであげてきたもの以外のメリットは何なのかを考えてみます。
- どんな季節でも天気でも洗濯物を等しく乾かすことができる
- 花粉を気にしなくてよくなる
- 着回しリードタイムを最短1日にできる
パッと思い付くものはこれくらい。
おそらく一番上の、どんな天気でも洗濯物を乾かすことができるのが最大のメリットのはず。
このメリットを今の生活にあてはめてシミュレーションしたときに、大きな価値を感じることができるか。
んー、、、んーーー。。。
うううーーん、んんんー。
全然わからん。
結論:買わんとわからん
結論出ました。
洗濯乾燥機のもたらす効果、買わんとわからん。
副次的効果やデメリットもあるだろうけど、きっと買わんとわからん。
わからん、で片付いてしまうということは、洗濯そのものに大きな課題を感じていないのかもしれない。
とりあえず今回は、洗濯乾燥機に漠然と感じていた魅力を明文化して分解できたこと。
あとはVSMを使って、洗濯のフローに潜む課題が何なのかを明らかにできたこと。
これだけのバリューで十分です。
買うかどうかの意思決定には至りませんでした。
が、選択材料はいくつか示せたと思う。
洗濯だけにね。
それでは聴いてください、The Choice Is Yours.