Binary Diary

誰かに会ったり 話しかけたり 街行く人に優しくね

コミュニケーションの壁とは第一想起(コンテキスト)の境目

どうもこたにんです。

 

こないだ読んでた宇宙科学系の本にこんなことが書いてあったんですよ。

「インフレーション」という言葉を聞くと、多くの人は経済における「物価の継続的な上昇」のことを思い浮かべるが、先に宇宙論に興味を持った人は「宇宙創成時の空間の急激な膨張」がまず頭に浮かぶ

これ、たしかにな〜と思って。

「インフレーション」と聞いたら私も最初に想起するのは宇宙の話だなと。

言われてみると経済用語でもあるし、それを想起する人も多くいるよなぁと納得したわけです。

 

この「第一想起」の話、日常会話や仕事でのコミュニケーションにおいても多く潜んでいるなと。

 

「PR」と言った場合、多くのエンジニアは「Pull Request」のことを指しますが、「広報」をイメージする方も多くいる。

「叩く」と言った場合、多くのエンジニアは「WEB APIにリクエストする」ことを指しますが、「物理的に手を出す」をイメージする方も多い。

「888888」と言った場合、多くのエンジニアは「チャット上での拍手の意味」を指しますが、「謎の数列?」「タイプミス?」思う方も多い。

 

その人の属性、環境、知識、暮らし。

ことばから想起するものは、その人が持つどんな情報と紐付けられているかによって異なります。

簡単に言うと「自分の第一想起が必ずしも他者と同じではない」ということ。

横文字を使うと「コンテキストが異なる人もいる」ということ。

そんなこと言われても当然わかりきってるとは思いますが、ふと日常や仕事を振り返ったときに、実はこれを忘れてしまっているケースがあるかもしれません。

 

エンジニアしかいない場面だと思って盛り上がっていたら、そこにエンジニアとしてのコンテキストを持っていない(ことばの第一想起がエンジニアとは異なる)人がいるかもしれません。

その人たちの立場になると「エンジニアさんがよくわからない言葉で内輪で盛り上がってる」ように見えます。

API叩くPR出しました!」「888888」と言われましてもなんのこっちゃわからんわけです。

 

コミュニケーションの中で発生するこれを小さい違和感で片付けるのか、大きな文化のズレとして壁を感じるのか。

少なくとも第一想起が異なる(コンテキストが異なる)ことを感じ、それを埋めるためにエネルギーが必要になるわけです。

低カロリーにコミュニケーションを取りたいところで思わぬエネルギーを消費してしまうわけです。

これは非常にもったいないことです。

 

「コミュニケーションの壁を感じる」という悩みを聞くことがありますが、この「壁」というものは実は「第一想起(コンテキスト)の境目」のことかもしれません。

いい言語化ができました、これですね。

第一想起が異なるから話したいことが伝わらないし、それが壁として文化の違いに感じるし、その壁がコミュニケーションの隔たりや断絶を生むのかもしれません。

 

そう考えると、第一想起を一意に定めないことが、コミュニケーションを円滑に進めるコツなのかもしれません。

「PR」と言われたときに、プルリクエストかもしれないしプロモーションかもしれないしプエルトリコかもしれないしプラセオジムかもしれない。

その言葉から自分が第一想起する一意のものではなく、相手が想起するであろう「第一想起群」を頭の中で考え広げる。

そうすることで第一想起の境目をなくして広げることができる、すなわち壁が取り除かれる。

 

「このことばは相手はどう解釈するだろうか」「このことばは別の意味で伝わってしまうのではないだろうか」「むしろ伝わらないのではないか」ということ。

先も書いた「自分の第一想起が必ずしも他者と同じではない」ということ。

これを理解しておくことで、コミュニケーションの質がインフレーションするかもしれません。