どうもこたにんです。
先日居酒屋に行きまして。
このようなメニューを目にしたのです。
あるよね。
チンチロリン(サイコロ2個振るやつ)で出た目で安くなったり倍額になったりするやつ。
まあハイボールは飲まないのでやることはなかったのですが。
こういったものを見ると「楽しそう!」って思うことはあんまりないんだなあ。
というよりもむしろ「これってお得なの?期待値は?」ってなってしまうんだなあ。
そういうところが理系なんだな、って思う。
そのときは注文することもないし、期待値計算するまでもなくページをめくったけど。
ちょうどいい脳みそ体操になりそうだし、と写真に収めていたのです。
ので、簡単に計算してみましょう。
という記事。
某居酒屋のチンチロリンハイボールはどれくらいお得なのか?
結論から言います。
「ハイボールを2杯飲む人は確実に得をする」
です。
これは計算をしなくてもわかります。
なぜかというと、このルールは3つの条件で成り立っています。
- ゾロ目=1杯無料
- 合計が偶数=1杯半額
- 合計が奇数=倍額で倍量(定価で2杯)
ということは、2杯飲みたい人は初手チンチロリンで、確実に得をします。
初手チンチロリンで奇数だったら、トントン。
初手チンチロリンでゾロ目か偶数であれば、2杯目は普通に頼めば得をする。
(2回目でチンチロリンして奇数だったら3杯分飲むことになるので、2杯目はふつうに)
では、1回のチンチロリンで、各条件はどれくらいの確率で現出するのでしょうか。
ちゃんと計算しましょう。
サイコロを2個振ったときの合計がそれらに分類される確率
これは簡単な数学ですね。
6面サイコロを2個振るので、出てくる目は36通りです。
2個の合計がゾロ目・偶数・奇数となるのは、どれくらいの確率なのでしょうか。
結果、こうです。
- ゾロ目=6通り=17%
- 偶数=12通=33%
- 奇数=18通り=50%
これ、すごく不思議な事が起こってるのです。
何が不思議なのかというと。
2個のサイコロのゾロ目は必ず偶数になるのです。
とある目がnだとすると、2個のゾロ目というのは2nなので。
でもこのチンチロリンハイボールのルールとしては、ゾロ目の判定が強いです。
if文を書くとこうなります。
if (a == b) "1杯無料!" else if ((a + b) % 2 == 0) "1杯半額!" else "倍額倍量!"
先の確率に戻ると、倍額倍量となるのは50%の確率です。
なので、たった2分の1の確率で得をする、とてもよいメニューということになります。
お得ですね、ぜひ頼みたいですね。
期待値を計算するとお得ではないかもしれない!?
ただ、これはすごくお得なように見えますが。
1回のチンチロリンチャレンジで、期待値がどうなるか計算してみましょう。
全36通りそれぞれの通りと、それにかかる金額を合計して36で割るのです。
// 角ハイボール1杯390円で計算
((0 * 6) + (195 * 12) + (780 * 18)) / 36 = 455
- 0円となるゾロ目は6通り
- 半額の195円となる偶数は12通り
- 倍額の780円となる奇数は18通り
それらを足して36で割るとあら不思議、455円になってしまうのですね。
1杯飲むだけにフォーカスすると、損をしやすいということになるんです。。。
これが数学と国語が組み合わさることによる妙。
とても素敵で不思議な現象が起こるわけですねえ。
ただこれは「1杯だけ」という条件のもとで計算したものです。
さきほどちらっと言った「2杯飲む人は確実に得をする」というのを計算してみます。
ただしこのとき、以下ムーブをすることが前提です。
初手チンチロリンで奇数だったら、トントン。
初手チンチロリンでゾロ目か偶数であれば、2杯目は普通に頼めば得をする。
(2回目でチンチロリンして奇数だったら3杯分飲むことになるので、2杯目はふつうに)
この計算は簡単です。
// ゾロ目と奇数の人だけ2杯目はふつうに頼む
((390 * 6) + ((195 + 390) * 12) + (780 * 18)) / 36 = 650
するとあらふしぎ、2杯で650円という期待値になります!
これはめっちゃお得なのです。
通常2杯のハイボールを頼もうとすると780円になってしまいます。
ので、130円得をする、ということになります!
損得度外視で楽しくサイコロ振ろう
損得計算をしてしまうと、期待値を計算してしまうと、こうなりました。
1杯あたりだと損をするかもしれない。
奇数になって損をした気分になるかもしれない。
ただ、そもそもチンチロリンで運試しをする楽しさ。
その非日常的な楽しさに支払っているとおもえば、最高にハッピー!
期待値計算はシラフの自分に任せて、居酒屋では楽しくサイコロ振ろう!!
それでは聴いてください。