どうもこたにんです。
20mシャトルランの真実
「20mシャトルラン」というのを聞いたことがありますでしょうか。
学生の頃に体力測定(体力テスト)のいち種目として行うやつです。
20mの区間を、音に合わせて往復するアレです。
あれって、小中学生時分では、謎の競争心に燃えているじゃないですか。
その結果、すごく自分の限界まで挑む、THE体力テストって感じ。
それはそれで別に構わないのです。
が、すごく時が経って、なんとなく思い出として思い出したときにふと思うのです。
「20mシャトルランって、どこまで続くんだろう?」
というわけで調べてみました。
20mシャトルランには上限があった!
20mシャトルランについて、調べてみました。
なんでも、シャトルランには「247回」という上限があるらしい。
文科省が出している体力テストの実施要項からもわかる。
実は20mシャトルランには、247回という上限があったのだ。
Wikipediaに表が載っておりました。
レベル | 折り返し回数 | 累積 折り返し回数 |
速度 (km/h) |
折り返し時間 (秒) |
レベル内 合計時間(秒) |
距離 (m) |
累積距離 (m) |
累積時間 (分秒) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 7 | 7 | 8.0 | 9.00 | 63.00 | 140 | 140 | 1:03 |
2 | 8 | 15 | 9.0 | 8.00 | 64.00 | 160 | 300 | 2:07 |
3 | 8 | 23 | 9.5 | 7.58 | 60.63 | 160 | 460 | 3:08 |
4 | 9 | 32 | 10.0 | 7.20 | 64.80 | 180 | 640 | 4:12 |
5 | 9 | 41 | 10.5 | 6.86 | 61.71 | 180 | 820 | 5:14 |
6 | 10 | 51 | 11.0 | 6.55 | 65.50 | 200 | 1020 | 6:20 |
7 | 10 | 61 | 11.5 | 6.26 | 62.61 | 200 | 1220 | 7:22 |
8 | 11 | 72 | 12.0 | 6.00 | 66.00 | 220 | 1440 | 8:28 |
9 | 11 | 83 | 12.5 | 5.76 | 63.36 | 220 | 1660 | 9:31 |
10 | 11 | 94 | 13.0 | 5.54 | 60.92 | 220 | 1880 | 10:32 |
11 | 12 | 106 | 13.5 | 5.33 | 64.00 | 240 | 2120 | 11:36 |
12 | 12 | 118 | 14.0 | 5.14 | 61.71 | 240 | 2360 | 12:38 |
13 | 13 | 131 | 14.5 | 4.97 | 64.55 | 260 | 2620 | 13:43 |
14 | 13 | 144 | 15.0 | 4.80 | 62.40 | 260 | 2880 | 14:45 |
15 | 13 | 157 | 15.5 | 4.65 | 60.39 | 260 | 3140 | 15:46 |
16 | 14 | 171 | 16.0 | 4.50 | 63.00 | 280 | 3420 | 16:49 |
17 | 14 | 185 | 16.5 | 4.36 | 61.09 | 280 | 3700 | 17:50 |
18 | 15 | 200 | 17.0 | 4.24 | 63.53 | 300 | 4000 | 18:54 |
19 | 15 | 215 | 17.5 | 4.11 | 61.71 | 300 | 4300 | 19:56 |
20 | 16 | 231 | 18.0 | 4.00 | 64.00 | 320 | 4620 | 21:00 |
21 | 16 | 247 | 18.5 | 3.89 | 62.27 | 320 | 4940 | 22:03 |
表を読み解くとこんな感じ。
- 上限は247回(レベル21)
- 1分ごとにレベルが上がり間隔が短くなっていく
- 22分走り続けて累計距離は4.94kmになる
- 終盤は20mを4秒程度で走り続けなければならない
凄まじいラスボス具合、シャトルランここに極まれりって感じ。
とあるサイトにある、体力テストの統計データを見てみました。
20mシャトルランの統計情報はこんな感じ。
中学生で平均値90の標準偏差24。
標準偏差が大きめなので、個人の回数には結構大きなばらつきがありそうです。
この値から最大値を求める方法が思いつかんので諦めますが。
上限を設けて何がわかるのか
このシャトルランの上限って、かなり無理があるじゃんね。
ふつーにイメージしても、150回超えたあたりから人外というか。
さっきの統計見ても、257回という数字はありえないんじゃないのって思う。
もうそこまで行くとトップアスリートでしょ、って感じが否めない。
体力テストという枠組みで捉えたときに、そこで何を測定したいのか。
測定結果をもとに、個々人の学生のスキルを絶対的な指標でいかに可視化したいのか。
ただの体力、肺活量の指標なのであれば、257回はやりすぎなのではないか。
もはや150回超えるくらいの人はだいたい全員すごいよきっと間違いないよ。
150回の人と、257回コンプリートの人で、体力的スキルに大きく差はないよ。
標準偏差的に、どちらも確実に5パーセンタイルに入ってそうだもん。
だから現状の、中途半端な上限感は、あまり効果を発揮していない気がする。
それであればもっと現実的に、150回を上限としてしまってもいい気がする。
スキルセットの可視化と指標の大切さ
体力テストはすなわち、スキルセットの可視化です。
各種目にてスコアに応じたスキルレベルがわかり、それをトータライズする。
そこで自分の得手不得手がわかる、というしくみ。
これは明らかに体力というスキルセットを可視化している行為。
弱みを補ったり、強みを活かしたり、という判断材料になる。
そこから適材適所なスポーツを選んだりすることもあるのでしょう。
ただ、スキルセットの可視化のための指標は大切にしなければいけないです。
シャトルラン257回という、高いスキルなのは自明だが非現実的。
その指標のモデルはいるのか、その指標に求められるものは何なのか。
スキルセットを可視化する上で本当に大切なのは、指標である。
というのが今回、20mシャトルランの思い出に浸っていたら学んだこと。